Ardour 9.8 がリリースされました

私が興味を持っている Ardour (DAW) の最新バージョンがリリースされました。Ardour 9.8では、Key / Scale機能の導入をはじめ、MIDI編集、Clip録音、Cue Page、クラッシュ時の録音復旧などが改善されています。特に今回はMIDIを使った作曲・編集機能の強化が目立つアップデートです。

1. Key / Scale機能が初めて導入されました

セッション全体にキーを持たせられ、さらにMIDIトラック単位で別のキー/スケールを指定できます。スケール外の音を視覚的に区別したり、MIDI入力時にスケール外の音を自動補正したりできます。スケール外のノートを新しく描けないようにすることも可能です。(Ardour 9.8 What’s new)

今後は「12平均律以外の調律サポートを拡張」、「マイクロトナリティ(微分音)を含む多様な音律への対応強化」「タイムライン上でキーとスケールの変更をサポートし、スケール外の音符を視覚的に表示」、「SCALAファイルの読み込み(基礎は既に完了)」などを予定しているようです。

2. Clip 録音機能の改善

クリップの録画機能では、最低でも2小節のカウントインが保証され、クリップエディターにカウントダウンが表示されます。また、カウントダウンの開始時点から録画を開始し、クリップの開始位置を適切なポイントに調整します。これにより、録画後にクリップの境界を手動でずらすことができます。例えば、録画開始位置が早すぎた場合などに便利です。Shift+Ctrl(Cmd)キーを押しながらドラッグすると、両方の境界を同時に移動できるため、クリップの長さを正確に維持できます。

さらに、オーディオクリップエディタにはいくつかの修正と改善が加えられました。

データが領域よりも長い場合でも、再生ヘッドの位置が正しく表示されるようになりました。
ルーラーの種類が、分/秒ではなく、小節|拍|ティックに変更されました。
定規には、その地域の開始位置を反映させるためのオフセットも追加されました。

3. MIDI Toolsにアルペジオ生成

Chord Editing に、Arpeggiator(アルペジオ生成)オプションが追加されました。

4. クラッシュ時の録音復旧が大幅改善

録音中にArdourやシステムがクラッシュしても、失われる可能性のある録音データを最大約5秒分に抑え、Loop/Punch録音でもRegionを正しい位置に復元するようになりました。FLAC/BWFなど書きかけでは読めない形式についても、新しいファイルへデータを復旧します。

5. Cue page の改善

  • ハードウェアモニタリング使用時のClip録音が正しく動作するよう改善。ソフトウェアモニタリングを使用する場合は、この操作は不要です。
  • スロットを明示的に解除する際には、トリガーボックスを解除しないでください。
  • クリアされたオーディオ領域を検出し、エディターをクリーンアップします。

6. プラグイン関係

  • LV2 string parameterのUI対応
  • LV2 parameter処理の強化
  • Linux VST3の lib64 検索パス追加
  • VST micro-edit inline controlsをデフォルトOFF

7. その他多数の修正

このほかにも、Editor、Mixer、MIDI、Control Surfaces、Import/Exportなど多数の修正・改善が含まれています。詳細は公式の What’s New を参照してください。

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