TrixiePup64-Retro は Debian 13(コードネーム 「Trixie」)をベースに構築された軽量なLinuxディストリビューションで、デスクトップ環境が X11版です。従来のPuppy Linux を踏襲している軽量版です(ただし、従来版より大きい)。
フォーラムで mozc に関する記事について 思ったものがなかったので 導入からイメージを作成して公開するに至りました。
この記事では、TrixiePup64 上で fcitx5-mozc を使って日本語入力できるようにしたときの考え方、実際に必要になった設定、注意点をまとめます。
私自身の環境では、TrixiePup64-Retroで fcitx5-mozc を組み込み、Firefox や Chromium 系ブラウザー、LibreOffice などで日本語入力できる状態を確認しています。
セットアップの手順
Puppy Linux の公式サイトからリンクされているイメージファイルに Puppy Linux 日本語フォーラムで thinkpadnerd さんが配布している日本語化の pet から im を除いたもの と fitx5-mozc の インストールスクリプト と起動の設定等 組み込んだ状態を 日本語化イメージにして公開しましたので、これを使用して USB外付けなどにインストールして使用します。( thinkpadnerd さんに感謝!!)
USB外付けの場合
Youtube 動画で説明していますが、Windows で作業する場合、必要なものは イメージファイル、書き込みソフトの rufus 、設定の保存先してファイル、直ぐに必要そうなソフト類(例:Chromium, LibreOffice など)を ダウンロードします。
rufus を起動して イメージファイルを パネルにドロップします。
USB外付けドライブを取り付け、
mozc で日本語入力が難しく感じる理由
Puppy Linux で mozcを導入する際に注意が必要なのは、次の点です。
- root 実行と spot 実行の違いがある
- fcitx5 や dbus の起動順が合わないと Mozc が認識されない
つまり、単に fcitx5-mozc のパッケージを入れただけでは、必ずしも日本語入力が完成しません。
TrixiePup64-Retro では、fcitx5、Mozc、dbus、環境変数をまとめて見る必要があります。
使用した日本語入力環境
今回の構成では、次のような組み合わせを使っています。
- TrixiePup64-Retro
- fcitx5
- fcitx5-mozc
- dbus / dbus-launch
- 日本語フォント
- 日本語 locale
- 起動スクリプトの追加など
Mozc は Google 日本語入力のオープンソース版にあたる入力エンジンです。
Puppy Linux 系でも Mozc を使えると、日本語入力の変換精度がかなり実用的になります。
基本方針
TrixiePup4-Retro で Mozc を使う場合、私の環境では次の方針にしました。
1. fcitx5-mozc を組み込む
2. 起動時に fcitx5 が自動で起動できるようにする
3. dbus が認識されるようにする
4. 日本語入力用の環境変数を設定する
インストール内容
イメージを作成するまでに行っていることについて、まず、必要なパッケージをインストールします。
apt update
apt install fcitx5-mozc fcitx5 fcitx5-modules mozc-utils-gui tegaki-zinnia-japanese \
fcitx5-frontend-gtk3 fcitx5-frontend-gtk4 fcitx5-frontend-qt5 fcitx5-frontend-qt6 \
fcitx-ui-classic fcitx-config-gtk fcitx5-config-qt
過去の経験からこのぐらいは必要だろうと言う感じです。
もちろん、関連するパッケージは自動的にインストールされます。
日本語入力に必要な環境変数
fcitx5 を使う場合、一般的には次のような環境変数を設定します。
GTK_IM_MODULE=fcitx
QT_IM_MODULE=fcitx
XMODIFIERS=@im=fcitx
ですが、Puppy Linux では、アプリケーションによって fcitx指定よりも xim 指定の方が安定する場合があります。
GTK_IM_MODULE=xim
QT_IM_MODULE=fcitx
XMODIFIERS=@im=fcitx
私の環境では、Firefox や Chromium 系ブラウザー、LibreOffice などで実際に入力確認をしながら調整しました。
dbus-launch は 起動の記述がある
fcitx5 を起動しても Mozc が認識されない場合、dbus が関係していることがあります。
起動処理の中で既に dbus-launch が起動しているので気にする必要はありません。
例としては、次のような記述があるかどうかです。
eval "$(dbus-launch --sh-syntax)"
export DBUS_SESSION_BUS_ADDRESS
export DBUS_SESSION_BUS_PID
その上で fcitx5 を起動します。
fcitx5 &
このあたりは環境によって差が出やすい部分です。
動かない場合は、fcitx5 だけを見るのではなく、dbus が正しく起動しているかも確認します。
fcitx5 の起動確認
fcitx5 が起動しているかどうかは、ターミナルで確認できます。
ps | grep fcitx5
または、
pgrep -a fcitx5
Mozc 関連が認識されているかどうかは、fcitx5 の設定画面や入力メソッド一覧で確認します。
入力メソッドに Mozc が出ていない場合は、fcitx5-mozc の組み込み、locale、dbus、起動順のどこかに問題がある可能性があります。
PET 化しておくと再利用しやすい
設定がまとまってきたら、PET パッケージ化しておくと便利です。
PET 化しておくことで、別の 環境へ移すときや、再セットアップしたときに同じ作業を繰り返さずに済みます。
私の場合は、fcitx5-mozc 関連の設定をまとめ、TrixiePup64-Retro 用の PET として扱えるようにしました。
PET を作成するときは、処理が終わったことが分かるように、最後にメッセージを表示させると便利です。
ブラウザーでの日本語入力
Firefox や Chromium 系ブラウザーは、通常のアプリと異なる権限や実行ユーザーで動く場合があります。
そのため、テキストエディタで日本語入力できても、ブラウザーでは入力できないことがあります。
確認するときは、次のように複数のアプリで試すのがよいです。
- テキストエディタ
- LibreOffice
- Firefox
- Chromium / Chrome 系ブラウザー
すべてで同じように入力できるとは限りません。
ブラウザーは、fcitx5 と通信できるかどうかが問題になります。
この場合、XIM を使う設定や、dbus の扱いが重要になります。
LibreOffice での確認
LibreOffice は日本語入力の確認に向いています。
Writer を起動して、Mozc でひらがな入力、漢字変換、候補表示ができるか確認します。
LibreOffice 側で入力できる場合でも、ブラウザーで入力できないことがあります。
逆に、ブラウザーで入力できても LibreOffice で不安定な場合もあります。
EasyOS ではアプリごとに挙動が違うことがあるため、複数アプリで確認するのが安全です。
Mozc を使うときの注意点
TrixiePup64-Retro では、一般的な Linux と比べて日本語入力の設定がやや繊細です。
特に、次の点は注意が必要です。
- パッケージを入れただけでは完成しない
- dbus の起動状態が重要
- ブラウザーは特に確認が必要
まとめ
TrixiePup64-Retro でも fcitx5-mozc を使って日本語入力することは可能です。
ただし、単純にパッケージを追加するだけではなく、fcitx5 の起動、dbus、環境変数を確認する必要があります。
私の環境では、設定を手作業で固定するのではなく、必要な記述を確認して安定して使いやすくなりました。
TrixiePup64-Retro は独自性の強いディストリビューションですが、仕組みを理解して設定すれば、日本語環境としても十分実用になります。
Mozc の変換精度を TrixiePup64-Retro でも使いたい方は、fcitx5-mozc と 環境変数の関係を意識しながら設定してみるとよいと思います。
